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水野会長「11月度定例記者会見」あいさつ要旨(11/6)

水野明久 中部経済連合会会長の定例記者会見を開催し、 至近の中経連の活動などについて説明しました。

米国西海岸経済視察団の派遣
中経連では、海外における経済の現状や先進事例の把握などを目的として、毎年、経済視察団を派遣しております。今回は、9月30日から10月9日までの10日間、私を団長とする総勢32名が米国のシリコンバレーやシアトルを訪れ、「スタートアップ・イノベーション」「まちづくり」「航空宇宙産業」をテーマに様々な取り組みを視察いたしました。
「スタートアップ・イノベーション」および「まちづくり」をテーマにした視察では、シリコンバレーで多くのスタートアップを輩出してきたインキュベーション施設である「プラグ・アンド・プレイ」や、起業家精神に優れた大学として知られるスタンフォード大学のほか、サンタクララ市役所を訪れ、同地のスタートアップ・エコシステムを肌で感じることができました。
シリコンバレーでは、失敗を恐れずに次々とチャレンジしていくことを尊重する考え方が根付いており、多様性や新しいものにオープンな街の風土とともに、世界的な大企業や研究機関、行政、投資家などが莫大な規模の資金や実証フィールドの提供などを通じ、スタートアップを強力に後押しする環境が整っていました。今回のシリコンバレーでの視察を通じ、イノベーションの活性化やスタートアップ創出には、産学官によるサポートと、人を呼び込む、魅力ある街の存在が必要不可欠であると改めて実感いたしました。
また、シアトルでは、「航空宇宙産業」をテーマに、ボーイング社の飛行機組立工場であるエバレット工場を訪れ、セントレアから運ばれた我が国の最新技術や中部圏産の部品を数多く装備し、今後運航を予定している新型777型機の最終組立工程を視察いたしました。
建築物として世界最大の容積を誇るエバレット工場では、約3万人の従業員が働いており、コロナ禍からの復活を印象づける、活気に満ち溢れた現場を目の当たりにするとともに、シアトルの発展をけん引してきた製造業の要として、我が国の中部圏にも通じる、ものづくりの精神を感じることができました。
それぞれの視察先で得られた知見は、足元における中経連の活動に活かすとともに、今後、10年、20年先の中部圏を見据え、経済社会を一段高い成長軌道に乗せていくためのビジョンを描く上でも貴重な機会となり、私自身も大きな刺激を受けました。

西日本経済協議会総会の開催
西日本経済協議会は1965年に設立され、中部・北陸・関西・中国・四国・九州の6つの経済連合会が、西日本の発展に向けて、広域的な連携のもと様々な取り組みを行っております。
10月17日に開催された総会では、「変革による活力と魅力溢れる地域の創生」をテーマに意見交換を行うとともに、政府への要望を決議いたしました。
私からは、中経連が足元で重点的に取り組んでいる4つの活動として、
・イノベーションの活発化
・2050年カーボンニュートラルの実現
・外国人材と博士人材を対象とした人材育成
・交通ネットワークの充実
について紹介し、西日本の経済連合会が力を結集して国へ働きかけていくことの重要性を訴えました。
また、各地域で共通する課題の解決に向けて、以下の4本の柱からなる決議文を採択いたしました。
・イノベーションの促進による成長産業の創出
・GXの実現に向けた取り組みの推進
・地方創生の強力な推進および新たな時代に合わせた経済社会モデルの構築
・広域連携と国土強靱化に向けた社会基盤整備
これを踏まえ、2日後の今月8日には、私をはじめとする各経済連合会の代表が政府および与党首脳の方々への要望活動を行う予定です。
決議の実現性・実効性を高めるためには、6つの経済連合会が団結し、より大きな声を国に届けていくことが重要と考えており、引き続き、緊密な連携のもと活動を進めてまいります。

◇「ステーションAi」に関する包括連携協定の締結
10月24日、中経連はSTATION Ai(株)とスタートアップ支援拠点「ステーションAi」に関する包括連携協定を締結いたしました。
中経連は、中期活動指針「ACTION2025」において、「付加価値の創造」を活動の柱の一つに掲げ、中部圏の経済を活性化させるエンジンとなる、イノベーションの創造に向けた取り組みを推進しております。
2019年に名古屋市と開設したナゴヤ イノベーターズ ガレージでは、小中学生が自ら考え行動する力を養うための啓発講座から、企業のマネジメント層や新規事業の担当者が事業創造を目指す実践的なワークショップまで、幅広い層を対象としたプログラムの開催を通じ、企業の新規事業やスタートアップ創出の素地となるマインドやコミュニティ形成の支援に注力しています。
他方、ステーションAiは、国内最大規模のスタートアップ支援拠点として、来年10月に鶴舞地区での開業を予定しており、栄のガレージや名駅地区にある「なごのキャンパス」などとともに、中部圏の中心地である名古屋にスタートアップ・エコシステムが確立される上での「起爆剤」になると期待しております。
中経連は、今回締結した包括連携協定を皮切りに、ガレージとステーションAiとの連携を強化し、スタートアップ支援に関する相乗効果の創出につながる具体策の検討を加速させることで、中部圏にイノベーションのうねりが起きる機運を醸成してまいります。
また、イノベーションの活性化やスタートアップ創出に向けては、人を呼び込む、人が集う、魅力ある「まちづくり」を同時に進めることが重要と考えております。ガレージを起点とした栄周辺エリアが、志と熱量を持ったイノベーターをはじめ、物事に意欲的にチャレンジする人々でにぎわい、アイデアの化学反応や価値創造と実装の連鎖を生み出す、期待感を備えたまちへと進化できるよう、産学官と連携の上、引き続き情熱を注いでまいります。

今月1日には、中経連の活動などをご紹介する会報誌「中経連」の11・12月号を発行いたしました。中経連は、プレスリリースやホームページ、メールマガジンだけでなく、会報誌を活用した情報発信を通じ、当会の活動実績やガレージで開催するイベントのほか、当地の歴史や文化、伝統工芸などの魅力や、会員の皆さまの挑戦などをお届けすることで、中部圏の活力や地域力の向上に貢献してまいります。

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