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情報発信

勝野会長「7月度定例記者会見」あいさつ全文(7/22)

本日はお忙しい中、また、大変暑い中、定例記者会見にお集まりいただき、誠にありがとうございます。
本日は私にとって、中経連会長として初めての定例記者会見であります。
今後、記者会見をはじめ、報道機関の皆さまによる情報発信を通じ、中部圏の明るい話題や中経連の取り組みを広くお届けできればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

<はじめに(参議院選挙結果)>
はじめに、先日、投開票が行われました参議院選挙について、一言申し上げます。
わが国は現在、約30年ぶりの高水準となる賃上げが3年続けて実現した一方で、コメをはじめ物価の高騰が個人消費に影を落とす中で迎えた今回の選挙では、物価高対策が最大の争点となりました。
足もとの物価高対策にあたっては、現金給付案や限定的な消費税減税案を含め、様々な論戦が繰り広げられた中、少子高齢化時代にわが国が持続的に発展するためには、短期的な景気浮揚策だけでなく、財政や年金、医療、介護などの社会保障制度を含め、今後のあり方を検討することが重要と考えております。
とりわけ、社会保障制度を巡っては、時代の変化に応じた、公平・公正で持続可能な制度の再構築に向け、将来世代にも目を向けた責任ある議論を深め、受益と負担のバランスについて、多くの国民から納得が得られる青写真を示していただきたいと思います。
この他にも、政府与党や衆参両院の野党の皆さまには、食料や資源供給の安定化をはじめ、防災対策を含め、経年が進む公的インフラの維持・強化、外国人材の活躍や共生などの実現に向けて、中長期的な視点やビジョンを持ち、スピーディな対応ができるよう、建設的な議論や政策推進をお願いしたいと考えています。

<足もとの経済・社会情勢>
さて、米国でトランプ政権が誕生して以降、半年が経過いたしました。
この間、時々刻々と変化する米国の関税政策は、依然として不確実性を抱えており、世界経済には、緊張と不安が広がっております。
とりわけ、自動車産業への関税が当地経済の先行きに不透明感をもたらしており、関連する企業においては、投資の予見性や採算性に幅広く影響が出るなど、追加関税による弊害が徐々に顕在化してきているところと認識しております。
中経連が6月に公表した会員向けアンケートや、今月開催した会員との意見交換の場においても、製造業では、「販売価格への一部転嫁」や「調達先の見直し」、「米国での現地生産」などを検討する声が届いております。
政府には、相互関税に関する交渉期限が迫る中、中長期的な視点で、日米双方にとって実りある着地点を慎重に見極めながら、粘り強く、「道なき道」を切り拓いていただきたいと思います。

<共同検討会の発足>
私は、先月の会長就任にあたり、新体制における活動の3本柱として、「広域連携の強化」、「オープンイノベーションの促進」、「人材の育成・活躍」を挙げた上で、半導体産業のさらなる振興に向けた取り組みに注力すると申し上げました。
就任から1ヵ月が経過した本日、中経連は、その実現に向けた「新たな一歩」として、当地の全国立大学などで構成するシー・フロンツとの「共同検討会」を発足させるとともに、その傘下にワーキンググループを設置することといたしました。
検討会には、シー・フロンツから、東海国立大学機構の松尾機構長や各学長のほか、名古屋大学の須田教授など、半導体関連分野の専門家に参加いただく予定であります。
他方、中経連からは、青木副会長、大島副会長、小川副会長、神野副会長、高原副会長を中心に参加いただき、当地の半導体産業のさらなる振興に向けた議論を深めていきたいと考えております。
今後は、これから設置するワーキンググループのもと、まずは、半導体産業に関連する会員企業や関係者からの声に耳を傾け、中部圏として貢献できる役割、領域を探求するほか、当地における半導体人材の育成と活躍に資する仕組みづくりに向けた検討を進めてまいります。

<当地の明るい話題>
さて、本日は一年で最も暑さが厳しいと云われる、二十四節気の「大暑」です。
当地では、先週に幕を開けたIGアリーナが、日本の暑い夏を彩る、大相撲名古屋場所の熱気を大いに高めています。
IGアリーナは、最先端テクノロジーを駆使したワールドクラスの施設として、来年に開幕が迫る「アジア・アジアパラ競技大会」のメイン会場となるほか、エンタメやスポーツイベントの開催などが見込まれており、国内外から多くの人を呼び込む、「新たなシンボル」としても期待されます。
このほか、中部圏の競争力向上や活性化に弾みをつける催しとして、静岡市では、今月24日から26日までの3日間、静岡県内の企業と国内外170社のスタートアップをつなぐイベント「テックビート静岡」が開催されます。
また、世界最大級の旅の祭典で、今年、愛知県で初開催される「ツーリズムEXPOジャパン」は、開幕まで残り2ヵ月あまりとなりました。
観光は「地域振興のエンジン」です。コロナ禍を乗り越え、多くの観光地で賑わいを見せる中、4日間で約10万人の来場者を見込むツーリズムEXPOジャパンは、当地の広域観光振興にさらなる勢いをつける「またとないチャンス」です。
私は、ツーリズムEXPOジャパンの開催地連絡協議会会長も務めており、中部・北陸9県が共同で出展するブースのPRなどを通じて、中部北陸に息づく歴史や自然、食、ものづくりなどの多彩な魅力を発信することで、当地へ人を惹きつける「呼び水」にしていきたいと考えています。

<おわりに>
最後に、来月11日は、10回目の節目を迎える「山の日」です。
中部圏は、日本アルプスなどの雄大な山々に恵まれており、川や高原が織りなす風光明媚な景観のほか、「自然との共生」によって培われた「利他の精神」をはじめ、日本人の多様な価値観とその包摂性を育んできた山を親しむ上での、最適地でもあります。
ぜひこの機会に、国内外から多くの方々が当地を訪れ、登山や周遊観光を通じて中部圏の観光資源を体感し、存分に味わっていただきたいと思います。

 

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