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水野会長「12月度定例記者会見」あいさつ要旨(12/5)

12月5日(月)、水野明久 中部経済連合会会長の定例記者会見を開催し、中部圏の景気動向や、今年一年の振り返りと来年の抱負について述べました。

◇足元の景気動向
10月から12月期の景況判断D.I.の値、すなわち、景況が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた値は、プラス0.5ポイントとなりました。
前回公表した7月から9月期のマイナス0.5ポイントを上回り、4期ぶりのプラス値に転じたものの、改善は小幅に留まっており、中部圏の景況は、今春以降、足踏み状態が続いているといえます。
来期以降についても、急激な為替変動、エネルギー・原材料価格の高止まりとその価格転嫁、海外の政情不安、人手不足など、厳しい経営環境への対応に苦慮する会員企業の現状を見ますと、今後も予断を許さない状況が続くものと予想しています。

◇今年一年の振り返りと来年の抱負
新型コロナウイルスについては、足もとで感染が再拡大するなど、依然として警戒が必要な状況にあるものの、社会経済活動を正常化していく動きが進み、ウィズコロナ社会が定着しつつあります。
一方、ロシアによるウクライナ侵攻や歴史的な円安を背景とした原材料やエネルギーなどの価格上昇が、国民の暮らしや企業経営に大きな影響を及ぼすとともに、各国で金融引き締めの動きが加速し、世界的な景気後退懸念も高まってきました。
政府には、わが国経済の再生はもちろん、経済社会の円滑な構造転換を進め、持続可能で一段高い成長を目指していただきたいと考えています。
さて、中経連では、2025年までの「中期活動指針『ACTION2025』」で掲げた3つの「創造」を柱に、様々なテーマで産学官・地域間が連携した活動を展開してきました。

1つ目の「付加価値の創造」では、コロナ禍からの早期回復と高い付加価値を生み出す産業の創出・成長に向けて、
・苦境が続く航空宇宙産業の支援に関する要望
・次世代モビリティ産業の形成に向けた関係機関との連携活動
・ナゴヤ イノベーターズ ガレージの拡張による、起業家のコミュニティ形成支援
・WEBサイト「中部圏デジタルのすすめ」の充実や、中部圏の産学官が協働する「中部DX推進コミュニティ」への参画による、デジタル化・DXの推進
・提言書「カーボンニュートラル社会の実現に向けた経済社会の変革」の策定と実現に向けた要望・講演の実施や、「中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議」への参画による水素関連産業の振興支援
・名古屋大学「脱炭素社会創造センター」を軸とした研究成果の社会実装加速に向けた活動
などに取り組みました。

2つ目の「人財の創造」では、多様な能力を発揮できる人財の育成と活躍しやすい環境の整備に向けて、
・社会環境の変化を踏まえた大学教育のあり方に関する提言策定に向けた、関係者との意見交換
・外国籍児童・生徒への日本語教育・学習支援に資するパイロットプログラムの立ち上げ
などに取り組みました。

3つ目の「魅力溢れる圏域の創造」では、産学官・地域間連携の活発化や、魅力と活力ある地域づくりに向けて、
・「中部圏広域産学官連携協議会」の設立や、観光や防災、デジタルなど、広域課題の解決に向けた議論の推進
・東京一極集中是正に向けた要望や、「中部の魅力を語る なでしこの会」における女性目線での当地の魅力発掘や発信方法の検討
・中部国際空港第二滑走路や、道路・港湾整備に向けた要望
などに取り組みました。

こうした活動を通じて、中部圏の地域力向上に向けた土台づくりが進んできたものと感じています。
中部圏の持続的発展に貢献するためには、提言や要望を実現・実行に結び付けていくことが重要であり、来年は、活動をさらに具体化し、中部圏の飛躍に向けて挑戦する一年としたいと考えています。
中経連が、産学官・地域間の「つなぎ役」となり、地域の付加価値を高めていけるよう、全力で取り組んでまいります。

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