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日銀総裁と中部経済界との金融経済懇談会(11/15)

11月15日(月)、黒田日本銀行総裁と中部経済界との懇談会が名古屋市内にて開催され、中経連から水野会長が出席した。

冒頭の講演で黒田総裁は、「わが国の経済は、昨年春を底に持ち直しを続けてきたが、夏場の新型コロナウイルス感染症の拡大などから、従来の想定と比べると回復がやや遅れている」との認識を示した。
今後の先行きについては、「感染症への警戒感からサービス消費への下押し圧力が残るほか、半導体など部材の供給制約から輸出や生産への一時的な減速局面は続く」との見解を示した。
また、今後の金融政策については、各国の中央銀行で金融緩和縮小の動きが見られる中で、わが国が2%の物価安定目標を実現できる状況にないとして、強力な金融緩和を粘り強く続けていく旨を改めて強調した。

続いて、地元経済界代表による発言に移り、水野会長は、「当地域の経済については、景況感が緩やかに改善を続け、コロナショック前の状態に戻りつつある」との認識を示した。一方で、「足元では部材の調達難や原材料価格の高騰などの懸念材料が増加していることから、先行きに対する会員企業の見方は引き続き慎重である」と述べた。
次に、日本銀行に対しては、現行の金融政策を高く評価する一方で、今後の見通しに関してはワクチン接種の拡大による感染抑制の効果は万全ではなく、次の感染拡大も予想されるとして、感染症収束時までの現行施策の継続と国内経済の状況に応じた機動的な対応を求めた。
また、米国の政権交代などをきっかけに取り組みが加速している脱炭素化の話題にも触れ、日本銀行が金融機関向けに新たに設けた「気候変動対応の投融資を促す制度」や行内の横断組織である気候変動ハブを通じて、わが国の環境整備に向けた積極的な関与を求めた。

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