NEWS

情報発信

2026年度 政府予算案に対する会長コメント

2026年度政府予算案は、先般閣議決定された補正予算とあわせ、戦略的な投資による強い経済の実現、経済安全保障とサプライチェーンの強靭化、GXとDXの推進、活力ある地方の再生、防災・減災・国土強靭化など、わが国の重要課題を踏まえた内容となっており、歓迎したい。

特に、AIや半導体など重要技術領域の研究開発や、ディープテック・スタートアップの起業・経営人材確保への支援に加え、GX分野における成長投資の促進、地方に大規模な投資を呼び込むための「地域未来戦略」の推進、上下水道の老朽化対策、防災庁設置も踏まえた防災・減災対策の強化に対する予算が措置されたことを評価している。

一方、歳出面では、年金・医療などの社会保障関係費が全体の3割超の約39兆円、国債の元利払いに充てる国債費が約31兆円と、いずれも過去最大となり、歳出総額は122兆円を超える規模となった。歳入面では、新規国債発行に多くを依存せざるを得ない状態が続いている。足もとの長期金利上昇も踏まえ、財政健全化に向けた規律ある財政運営に一層注力していただきたい。

わが国は、コストカット型経済によるデフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの転換点にある。本予算案の速やかな執行により、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る前向きな経済が実現されることを期待している。

一般社団法人中部経済連合会
会 長  勝野 哲

PAGE TOP