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勝野会長「12月度定例記者会見」あいさつ全文(12/3)

本日はお忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。今年最後の定例会見となります。よろしくお願いいたします。

本日、私からは、
・足もとの景気動向と先行きの見通し
・2025年の振り返り
の2点についてお話しいたします。

足もとの景気動向と先行きの見通し>
はじめに、足もとの景気動向と先行きの見通しについて、お話しいたします。
中経連は、10月14日から11月7日の間、法人会員693社を対象に、景況に関するアンケート調査を実施し、本日、結果を公表いたしました。
景況感の現状をみますと、10月から12月期の景況判断指数、すなわち、景気が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた値は、プラス14.5ポイントと、関税政策の不透明感により9.3ポイントまで悪化した前回から、やや改善いたしました。
これは、輸送用機械を中心とする製造業で米国の追加関税による影響が顕在化し、景況感が低水準で推移する一方、非製造業では、企業のDX推進に伴うIT投資を背景とした情報サービスの好調や、インバウンドの増加が寄与した運輸の回復が、主な要因と見ております。
また、非製造業や建設業を中心に、深刻化する人手不足への対応に苦慮している状況がうかがえるほか、会員企業の皆さまからは、「物価と賃金の好循環」や「個人消費の回復」などに向けた高市政権の手腕に期待する声が届いております。
先行きについては、米中経済の行方や中国をはじめとする不安定な海外情勢などが懸念材料となっており、低水準で推移する製造業の景況感は依然として、改善の兆しが見えにくい状況にあります。
政府には引き続き、米国の関税政策による影響を受ける中小企業や裾野産業などへのきめ細かな支援に万全を期していただきたいと思います。

 <2025年の振り返り>
さて、師走に入り、今年も残すところ1カ月となりました。
2025年を振り返りますと、8月に、米国のトランプ大統領が追加関税を発動し、当地経済に大きな影響を及ぼしたほか、わが国では10月に高市内閣が発足し、新しい連立政権が始動するなど、内外で「歴史の大きな転換点を迎えた一年」となりました。
わが国経済に目を移せば、2年連続で高水準となった賃上げを追い風に、「デフレ・コストカット型経済」から、成長に向けた投資拡大と生産性向上を伴う「成長型経済」に移行できるかどうかの分水嶺に立つ年でもありました。
足もとの景気は緩やかな回復局面にあるものの、食料品をはじめとする物価上昇は賃上げを上回り、実質賃金は前年割れが続くなど、依然として個人消費に影を落としています。
高市内閣には、財政健全化にも目配りした物価高対策を迅速に推し進めるとともに、「強い経済」の構築に向け、GXとDXの実現、半導体やAI産業の振興、食料やエネルギーの安全保障強化、国土強靱化などにつながる投資を加速させることで、日本経済を新たな成長軌道に乗せていただきたいと思います。
中長期的には、わが国が直面する少子高齢化や東京一極集中による地方の人手不足が、将来にわたる持続的成長に向けて、「先送りできない課題」となっております。
政府には、中小企業の省力化やデジタル化など生産性向上を促す支援のほか、多様な価値観を持った外国人材などの活躍を支える施策など、実効性のある人手不足政策の実現に注力していただきたいと思います。
一方、世界に目を転ずれば、米国関税措置に関する日米協議は合意に至ったものの、当地経済への影響が顕在化しているほか、ウクライナや中東情勢の不安、中国の経済停滞および台湾を巡る対日姿勢など、世界経済の先行きは、依然として不透明感が残ったままです。
とりわけ、米国の追加関税による当地製造業などへの影響については、中経連としても、会員向けの景況感アンケートなどを通じ、引き続き動向を注視していきたいと思います。

<まとめ>
さて、来年は、弊会が本年に中期活動指針として掲げた「ACTION2030」の2年目を迎えます。
これまで積み重ねてきた活動を土台に、「産業の進化と多様化」「人材・働き方の高度化」「魅力と活力ある地域社会の形成」への3つの貢献に向けた取り組みを着実に実行し、「形」にしていくことに力を尽くしていきたいと思います。
中経連は今後も、地域や産学官金をつなぎ、当地の総力を結集するとともに、会員や地域の声を国へ届けることで、社会課題の解決や中部圏の明るい未来の実現に貢献できるよう、全力で挑戦してまいります。
いささか早いご挨拶となりますが、報道機関の皆さまには今年一年、大変お世話になりました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。

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