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勝野会長「11月度定例記者会見」あいさつ全文(11/4)

本日はお忙しい中、定例記者会見にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

<はじめに(政治・経済に関する足もとの動向)>
はじめに、わが国の政治・経済に関する足もとの動向について申し上げます。
先月21日、高市新内閣が発足し、自由民主党と日本維新の会による連立政権の始動から2週間が経過しました。
新内閣が最優先課題に挙げた物価高対策は「待ったなし」であり、今後の政権運営の行方を占う「試金石」として、その手腕に期待しています。
このほか、深刻化する人手不足への対応、公平・公正で持続可能な社会保障制度の構築、GXの実現に向けたエネルギー政策などを力強く前進させ、確かな成長軌道に乗せていただきたいと思います。
中経連は現在、足もとの景況感に関する会員向けのアンケートを行っており、先月30日までに中間集計した結果によりますと、製造業の景況感はプラス2.9と、1.7まで落ち込んだ前期からおおむね横ばいとなった上、来年1月から3月期には0.0に悪化する見込みであり、先行きは依然、不透明感が残ったままです。
政府には引き続き、米国の関税政策による影響を受ける中小企業や裾野産業などへのきめ細かな支援に万全を期していただきたいと思います。
さて、本日、私からは、オープンイノベーションの促進に向けた取り組みについて、お話しいたします。

(TechGALA Japanの開催)
私は、本年6月の会長就任にあたり、活動の3本柱の一つとして、「オープンイノベーションの促進」を掲げました。
中部圏が今後も日本経済をけん引していくためには、オープンイノベーションが不可欠であり、当地の製造業が、デザインやデジタル、アートなどの異なる領域と融合し、「新たな価値」を生むことで、「次の時代のものづくり」へ進化していくと考えています。
来年1月27日から29日にかけて、ものづくり企業と国内外のスタートアップをつなぐ「出会いの場」として、「TechGALA Japan」が名古屋市で開催されます。
開幕まで残り3カ月を切った本日、今年度のメインテーマや主な登壇者などについて公表いたしました。
2回目となる今回は、「未来を描く」「現在を探る」「明日を創る」の3つをテーマに、国内外のスタートアップや事業会社、投資家などと、当地のオープンイノベーションを巡る課題と向き合い、歩むべき未来を展望します。
基調講演には、スポーツブランド・ナイキで、未来を洞察するスペシャリストとして活躍するモニカ・ビエルスカイト氏や、ノーベル賞受賞者で名古屋大学教授の天野 浩 氏などに登壇いただき、世界を変革した数多くの挑戦を紹介いただきます。

(人材育成・活躍)
こうした「環境づくり」と両輪で推し進めるべきは、オープンイノベーションの原動力となる「人材」の育成です。
中経連は、名古屋市と共同運営するナゴヤイノベーターズガレージを拠点に、年間400件を超えるプログラムの開催を通じて、イノベーションに挑戦する若い力を育てることに注力しています。
2019年7月の開業から7年目を迎え、累計の来場者数は20万人の大台に迫るほか、ガレージから巣立ち、ステーションAiなどで活躍する起業家が着実に増加するなど、イノベーションのアクセル役となる新たな力が、芽を出し始めています。
このモメンタムは名古屋だけにとどまらず、本年6月には、中経連や愛知県などで構成し、スタートアップを支える連携組織に、岐阜、三重、静岡の3県が加わるなど、起業を後押しする枠組みは中部圏各地に広がっています。
引き続き、各拠点が、共に創る「共創」と競い合う「競争」を積み重ねながら面的に活動を展開することで、もともとイノベーションが活発な当地に「オープンイノベーションのうねり」を起こしていきたいと思います。

 (魅力あるまちづくり)
さて、オープンイノベーションの促進に向けては、人々を呼び寄せる、関心を惹きつける、魅力ある「まちづくり」を同時に進めていくことが重要と考えています。
現在、名古屋市では、ラグジュアリーホテルの建設が続いており、先月には「エスパシオナゴヤキャッスル」が、2026年には栄に、「コンラッド名古屋」が開業します。
観光面では、来年の大河ドラマで、現在の名古屋市中村区で生まれた豊臣秀長が描かれ、観光資源の充実に弾みをつけることが期待されます。
愛知県以外でも、2027年に控える長野県・善光寺の御開帳、33年に迎える伊勢神宮の式年遷宮に向けた準備が、着々と進められています。
さらに、人を呼び込む国際イベントとして、来年、「アジア・アジアパラ競技大会」の開幕を皮切りに、2027年にはアジア開発銀行の年次総会、28年には技能五輪国際大会が愛知県で次々と開催されます。
中経連としては、これらの機会を「絶好の呼び水」として、国内外から集まる人々を中部圏全域へ誘客し、地域経済の活性化につなげられるよう、当地の多彩な魅力を発信していきたいと思います。

 <おわりに>
結びに、9月に愛知県で初開催しました「ツーリズムEXPOジャパン」は、4日間で、目標を上回る約12万7千人を集客し、中部北陸に息づく「観光の宝物」を世界中にお届けすることができました。報道機関の皆さまには、多くの媒体を通じ、イベントの意義や見どころを発信いただき、感謝申し上げます。
引き続き、中部圏の明るい未来の実現に向けて、ともに盛り上げていければと考えております。

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