2025.6.18
会長コメント
<はじめに>
本日はご多用の中、愛知・岐阜・三重・静岡・長野の各県より、またオンラインを通じて、多くの皆さまにご臨席いただきましたこと、心より御礼申し上げます。
日頃より、中経連の活動に温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。皆さまのご協力こそが、地域の未来を切り拓く力の源であり、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
<不確実な時代への対応>
いま、世界経済は、かつてない不確実性の中にあります。米国による追加関税が製造業へ大きな影響を及ぼし、企業は調達や価格戦略の見直しを迫られています。
その影響は非製造業にも波及し、個人消費や設備投資にも陰りが見え始めています。
このような状況だからこそ、日本政府には、日米双方にとって実りある着地点を慎重に見極めつつ、中小企業や地域の裾野産業に対する持続的な成長に向けた支援の充実を期待したいと思います。
中経連としても、会員企業の声を丹念に拾い上げ、国へ粘り強く届けてまいります。
<5年間の振り返り>
さて、本日の総会は、私にとりまして、会長として最後の機会となります。
この5年間を振り返りますと、コロナ禍をはじめ数々の困難がありましたが、皆さまの支えがあったからこそ、中経連はその都度、新たな一歩を踏み出すことができました。
(連携の力)
就任当初、私は「中経連は地域のために何ができるのか」を問い直しました。
そこで辿り着いた答えは、「連携」こそが“地域の可能性を切り拓く鍵”であるということでした。
地域間と産学官金の連携を通じて、中部圏に新たな価値を創出する。中経連はその「つなぎ役」として、イノベーションの推進や産学官プラットフォームの構築、広域連携の基盤づくりに取り組んでまいりました。
また、地域の声を束ね、中央に届ける「代弁者」として、インフラ整備や税制改正に関する政策提言など、粘り強く推進してまいりました。
加えて、会員アンケートから見えてきた現場の声や「なでしこの会」で議論された地域の魅力なども、報道などを通じて社会へ発信し、地域の活力向上に寄与してまいりました。
さらに、「挑戦を引き出す起爆剤」 としての役割を果たすべく、ナゴヤイノベーターズガレージを拠点に、次世代を担う若者や起業家が集い、学び、挑戦できる環境づくりを進めてまいりました。
(持続可能な発展に向けて)
一方で、人口減少や東京一極集中など、地域社会の根幹を揺るがす課題にも直面し続けています。
中部圏が持続的に発展するためには、産学官金が一体となり、課題解決に向けて取り組むことが必要です。
この2月、中経連は 「中部圏ビジョン2050」 を策定し、未来に向けた 「羅針盤」 を示しました。
今後は、このビジョンを旗印に、具体的な行動へと歩みを進めてまいります。
もちろん、地域には明るい話題も広がっています。
名豊道路の全線開通や東海環状自動車道の整備、中部国際空港での代替滑走路工事の着手など、交通ネットワークの拡充が着実に進んでいます。
また、IGアリーナの始動や高級ホテルの開業など、人流を呼び込む都市の再構築も進んでいます。
今年秋、「ツーリズムEXPOジャパン」が愛知で初開催されるほか、グローバルスタートアップイベント「TechGALA Japan」の第2回も控えています。来年秋には 「アジア・アジアパラ競技大会」、2027年には アジア開発銀行の年次総会、そして2028年には技能五輪国際大会が開催される予定です。
これらの機会を最大限に活かし、中部圏の魅力を世界へ発信し、“未来へのレガシー”を築いてまいりたいと考えています。
そのためには、会員の皆さまの積極的なご参画とご協力が不可欠です。ともに力を合わせ、中部の活力を次代へとつないでまいりましょう。
<おわりに>
結びに、中経連はこれからも、地域間や産学官金の連携を通じて、地域の挑戦を後押しする存在として、その役割を果たしてまいります。
そして、皆さまとともに、新たな時代を切り拓いていくことを、心より楽しみにしております。
今後とも、変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げ、私の開会の挨拶とさせていただきます。
本日は、誠にありがとうございました。