2025.6.4
プレスリリース
2020 年に設立した「Central Japan Startup Ecosystem Consortium ※1」(以下、当コンソーシアム)は、同年7月、内閣府から「スタートアップ・エコシステム拠点都市グローバル拠点都市※2」に選定され、愛知、名古屋、浜松地域におけるスタートアップ・エコシステムの形成に向けた活動を展開してきました。
このような中、当コンソーシアムはこのたび、岐阜県、三重県、静岡県を新たに加え、「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市」に資する拠点形成計画を内閣府へ提出し、本日、「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市 グローバル拠点都市(広域都市圏型)」に選定されました。
当コンソーシアムは引き続き、中部圏に「イノベーションのうねり」をもたらすような、スタートアップ・エコシステムの形成に向けて、広域産学官金の連携を深めてまいります。
※1(一社)中部経済連合会、名古屋大学、愛知県、名古屋市(事務局)、浜松市、岐阜県、三重県、静岡県をはじめ327企業・団体・大学などで構成。代表者:(一社)中部経済連合会会長 水野明久。
※2内閣府が2020年7月に、世界に伍する日本型スタートアップ・エコシステム拠点の形成と発展への支援を目的に、地方自治体、大学、民間組織などが策定した拠点形成計画を認定し、拠点都市として選定するもの。選定された拠点都市は、国による補助事業や海外展開に向けた支援、規制緩和などを受けることができる。
1「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市」選定の概要
・内閣府が、「スタートアップ・エコシステム拠点都市」をグローバル水準まで引き上げることを目的に、新たな拠点形成計画について選定を行い、国による必要な支援などを図るもの。
・選定結果は、以下のとおり。
「グローバル拠点都市」:8か所
(1)広域都市圏型(複数都市の量的なポテンシャルを集積・発揮し、多層的な産学官金で構成するエコシステム)
:仙台・東北スタートアップ・エコシステム・コンソーシアム、スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム、当コンソーシアム、大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアムの4か所
(2)中核都市型(核となる都市の特異なポテンシャルを発揮し、多様な産学官金で構成するエコシステム)
:札幌・北海道スタートアップ・エコシステム推進協議会、広島地域イノベーション戦略推進会議、北九州市スタートアップエコシステムコンソーシアム、福岡 RAMEN TECH コンソーシアムの4か所
「NEXTグローバル拠点都市」(グローバル拠点都市に準じ、地域の尖った産業構造やリソースを活かして、地域経済を活性化しながら海外エコシステムにも繋がるエコシステム)
:北陸スタートアップ・エコシステム・コンソーシアム、REGIONAL NEXUS HUB~NAGANO・NIIGATA~、瀬戸内コンソーシアム、くまもと版スタートアップ・エコシステムコンソーシアム、おきなわスタートアップ・エコシステム・コンソーシアムの5か所
2当コンソーシアムによる拠点形成計画の概要
(1) ビジョン
「世界における最先端のものづくりイノベーションの中心地」
→ ものづくり技術や生産ノウハウなどを世界のスタートアップの革新的な技術やビジネスモデルと融合させ、イノベーションをリードするグローバルな拠点に。
(2) 具体的な活動計画
「ものづくり産業の世界的な集積地であるCentral Japanの競争力で世界への道を拓く」
・中部圏全域の広域な産業界、大学、行政による多層的かつ強力なエコシステム
・世界的なものづくり産業の集積地という強みを活かした事業戦略やブランディング
・中部圏の産学官金が持つ世界各国との広域ネットワークを活かした事業展開
・グローバル企業の産業集積を生かしたオープンイノベーションの推進
・小学生から大学生、社会人まで成長段階に応じた多様なプログラムによる人材育成
(3) ALL CENTRALによる体制強化
第1期の中心メンバーであった中部経済連合会、名古屋大学、愛知県、名古屋市、浜松市に加え、新たに岐阜県、三重県、静岡県が参画することで、中部4県の産学官金が広く連携するとともに、域内のアセットを最大限活用し、広域なネットワークハブを形成します。
3選定後に受けられる国などによる支援の概要
(1) 拠点都市における支援実績があるスタートアップなどに対する加点措置
【内閣府】
・グローバル・スタートアップ・アクセラレーションプログラム(内閣府がジェトロや経済産業省と連携し、国内スタートアップ企業の海外展開を支援するプログラム)
(2) 拠点都市域内の各ステークホルダーに対する支援
【内閣府】
・拠点都市海外連携機能強化プログラム
【文部科学省】
・大学発新産業創出プログラム(START)大学・エコシステム推進型
- スタートアップ・エコシステム形成支援
・大学発新産業創出基金事業
- スタートアップ・エコシステム共創プログラム
【経済産業省】
・地域大学のインキュベーション・産学融合拠点の整備事業
4選定を受けた当コンソーシアム関係者によるコメント
一般社団法人中部経済連合会 会長 水野 明久
当コンソーシアムが、内閣府の「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市 グローバル拠点都市(広域都市圏型)」に選定されたことを大変喜ばしく思います。今回、岐阜県、三重県、静岡県が仲間に加わったことは、中部圏全体に「イノベーションのうねり」を起こす上で弾みをつける「新たな一歩」であると考えています。
第1期の選定を受けて、当地には多くのスタートアップが生まれ、挑戦を続けているほか、本年2月にグローバルイベント「TechGALA Japan」が初開催されるなど、イノベーション創出に向けた土壌が整いつつあります。
第2期計画の推進にあたっては、より広域的なエリアで裾野を拡大していくとともに、ものづくり産業の世界的な集積地であるCentral Japanの求心力を通じて、当地が国内外から多様なスタートアップが集まるネットワークハブとなることを目指します。
国立大学法人東海国立大学機構 機構長 松尾 清一
中部圏の産業界、行政、大学で構成する『Central Japan Startup Ecosystem Consortium』がこの度「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市」の「広域都市圏型」に選定されました。第2期では、第1期より広域化を図り、中部4県に拡大して連携していくこととなりました。
大学連合では既に中部4県の27大学2機関が一体となって、アントレプレナーシップ教育と研究シーズの事業化支援を進める『Tongali』を推進しております。本学は、中部圏の大学連合を主導し、更なるイノベーション人材の教育・育成、ディープテックを活かしたスタートアップの創出を強力に進めていきます。
中部圏内外の産学官連携を推し進め、「世界における最先端のものづくりイノベーションの中心地」として、スタートアップが集まってくる地域となることを目指して参ります。今後とも格別のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
愛知県知事 大村 秀章
世界における最先端のモノづくりイノベーションの中心地である中部圏のCentral Japan Startup Ecosystem Consortiumが、第2期スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市「広域都市圏型」に選定され、大変嬉しく思います。
中部圏の主力である自動車産業を始め、当地域が競争力を引き続き維持・強化していくためには、革新的ビジネスモデルや最先端技術を持つスタートアップを起爆剤としたイノベーションの創出が不可欠です。
昨年10月に本県において開業した日本最大のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」には、現在800を超えるスタートアップと事業会社、大学、金融機関を始めとしたパートナー企業が会員となっています。この「STATION Ai」を中核に、スタートアップの創出・育成・展開を図り、国内外から優れたスタートアップや優秀な人材をこの地域に呼び込み、地域のモノづくり企業との連携・融合を推進します。
Central Japan Startup Ecosystem Consortiumの地域が一丸となって、世界に類例のない国際的なイノベーション創出の拠点形成を目指してまいります。
名古屋市長 広沢 一郎
日本を代表する世界的な製造業の集積地として、日本経済をけん引する当地域のCentral Japan Startup Ecosystem Consortiumが、第2期スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市 広域都市圏型に選定されたことを光栄に思います。
中部圏は自動車産業をはじめとする世界有数のものづくり産業が集積しており、名古屋市はその中枢都市として発展を遂げてきました。今後も当地域が持続的に発展していくためには、産業の垣根にとらわれないイノベーションの創出が重要であり、そのために、スタートアップの創出・育成は必須と考えております。
中部圏の産学官が強固に連携することで、日本経済をけん引するスタートアップが創出される、世界でも唯一無二のエコシステムの形成を目指していきます。
浜松市長 中野 祐介
この度、本市を含むCentral Japan Startup Ecosystem Consortiumが「スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市」の第2期の選定を受けたことを、大変喜ばしく思います。
本市は、輸送用機器や楽器など、グローバルに活躍する企業が創業したまちであり、まずはなんでもやってみよう、新しいことに果敢にチャレンジしよう、という「やらまいか精神」が深く根付いています。
この「やらまいか精神」のもと、ものづくり企業の集積地である当地域の産業と、スタートアップの革新的なアイデアとのオープンイノベーションを強力に進めるほか、次世代を担うイノベーション人材を育成するためのアントレプレナーシップ教育の充実などにも力を入れてまいります。
引き続き中部圏全域で、それぞれの強みを活かした取り組みを、より一層強固な連携のもと展開し、世界に伍するスタートアップ・エコシステムの形成を目指してまいります。
岐阜県知事 江崎 禎英
この度、ものづくり産業の世界的な集積地である中部圏が、第1期に引き続き「スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市」に選定され、岐阜県も新たに参画して中部圏の取組みの一翼を担えることを大変光栄に思います。
本県では、スタートアップの創出・成長を、金融機関、大学、商工団体、行政などが一体となって後押しするため、令和5年6月に「ぎふスタートアップ支援コンソーシアム」を立ち上げ、関係機関のネットワーク強化、資金調達支援、県内企業とのオープンイノベーション促進といった地域を挙げたエコシステム形成の取組みを進めており、県内スタートアップが海外をフィールドに事業拡大するなどのグローバルな活躍の好事例も生まれています。
本県としましても、中部圏での連携をさらに深め、優れたものづくり技術や研究開発力といった強みを活かして、世界に誇れるスタートアップ・エコシステムの形成に貢献してまいります。
三重県知事 一見 勝之
この度、三重県が第2期スタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市(広域都市圏型)に選定されたCentral Japan Startup Ecosystem Consortium(中部圏)に参画できたことを大変光栄に思います。
本県では、地域資源を活用したスタートアップの成長段階に応じた支援に取り組むとともに、三重県全体で取り組む産学官金の「みえスタートアップ支援プラットフォーム」を設立し、イノベーション促進に関する学びの機会や多様な人材の交流機会を提供するイベントの開催等、更なる支援の充実に取り組んでまいりました。今回の参画を契機に、より広域でのスタートアップの創出・成長及びイノベーションの創出を加速することができると期待しております。
今後本県は、中部圏を含め全国の拠点都市と連携したネットワークを通して、オープンイノベーションの促進と起業家マインドの機運醸成を図りながら、国内外を問わず多様なスタートアップが集まるネットワークハブの形成に貢献してまいります。
静岡県知事 鈴木 康友
「第2期スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市」に静岡県を含む中部圏域が選定されたことを大変光栄に思います。
人口減少が進む中でも、未来に向けて本県経済を牽引する産業を創出するため、静岡県では、スタートアップ支援や企業誘致等の産業施策を重点的に推進しております。
世界的に見ても、スタートアップが集積する都市は、ほぼ例外なく経済成長を遂げています。これは、スタートアップが既存の産業に革新をもたらす存在であると同時に、社会課題の解決や多様な人材の交流による地域活性化に一役買っているからであります。
今回の選定を契機として、ものづくり産業をはじめとする中部圏域の特色やポテンシャルを最大限活用し、国内外からスタートアップが集積するとともに、世界を舞台に活躍するスタートアップがこの地域から次々と生まれる、世界に伍するエコシステムの形成を目指して、県境を越えた連携の取組を一層推進してまいります。
以 上