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日銀総裁と中部経済界との金融経済懇談会(11/4)

11月4日(水)、黒田日本銀行総裁と中部経済界との懇談会がオンライン形式で開催され、中経連からは水野会長が参加した。

冒頭の講演で黒田総裁は、わが国の経済は新型コロナウイルス感染症の影響によって引き続き厳しい状態にあるとしながらも、経済活動が再開する中で持ち直しているとの認識を示した。一方、今後の先行きについては、不確実性が高く下振れリスクが大きいと懸念した。その要因として、欧米を中心に感染が再拡大している点をあげ、今後の感染動向が経済環境に及ぼす影響について不透明感が強いとの見解を示した。また、今後の金融政策については、感染症の影響を注視し、必要とあれば追加的な措置を躊躇なく講じていく方針である旨を述べた。

続いて、地元経済界代表による発言に移り、水野会長は、当地域経済についてはコロナショックによる悪化は一旦歯止めが掛かったものの、景気回復に向けた足取りは鈍い状態が続いているとの認識を示した。今後の見通しについては、依然として感染動向に左右される状況が継続しており、会員企業の見方は引き続き慎重である旨を述べた。また、世界情勢のさらなる悪化は、輸出産業の比率が高い中部圏経済においては影響度が強く、今後の動向を注意深く見守りたいとした。
次に、日本銀行に対しては、現行の金融政策を高く評価する一方で、治療法などが確立しない現況下ではコロナ対策の長期化は避けられないとして、コロナショック収束時までの現行施策の継続と国内経済の状況に応じた機動的な対応を求めた。コロナ対策で膨れ上がった政府債務残高の削減は中長期的に重要な課題であり、コロナショック収束後は財政再建に向けた取り組みを徐々に加速すべきとの見解を示した。
最後に、世界中で発行に向けた取り組みが加速している中央銀行によるデジタル通貨の話題に触れ、デジタル化の遅れからわが国の経済に悪影響が及ぶことのないよう、日本銀行に創設されたデジタル通貨グループを通じて、将来を見据えた制度設計や環境の整備を求めた。

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